イラストレーター・山奈央のあれこれどこそこ

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週末の物語

馬と駆ける

*** ひさりぶりのブログ更新となりました。 盛岡を旅したときに買った郷土玩具「忍び駒」を題材に描いてみました。 コッペパン食べたり、十数年前の『ku:nel』に載っていた喫茶店に行ったり、川沿いをぶらぶらしたり、楽しかったなあ……。 コロナ禍で旅ど…

マンガ「魔法のねぎ」

*** 昔に描いた作品を再構成してマンガにしてみました。 野菜の中ではねぎがけっこうすきです。 にほんブログ村

週末の物語「4月1日のできごと」

今朝、「ヒューヒュー」という音で目が覚めた。 どこかでだれかが「ヒューヒュー」と口笛を吹いているのかしら? そう思って寝床の中で耳をすましていると、どうも存外近くからその音が聞こえていることに気づいた。 さらに耳を澄まして音の出所を探ってみた…

終末の物語 「世紀末の女子高生」

*** 実家に帰省したときに、かつての自分の部屋で1997年発刊の雑誌を読み返していました。 1997年、わたしは17歳でした。 あれから20年。 ノスタルジーをマンガにして描いてみました。 にほんブログ村

週末の物語 「ふわふわの生き物」

しばらく掃除を怠っていたある日、部屋の隅にわたぼこりを見つけた。 「あらまあ、わたぼこり」と思ってそれをつまみあげたら、「きゃあ」と鳴いた。 わたぼこりではなく、どうやら生き物らしい。 おやつをあげたら、ピンク色になった。おいしかったらしい。…

週末の物語 「ねこきつさ①」

先週の物語のつづきです。 (猫の手を貸してくれたらうれしい。)

週末の物語 「ある夜、寄り道」

その夜、前山さんは残業をして会社を出て、帰宅する人たちで混み合う電車に揺られながら帰ってきました。 駅の改札を抜けて、重い足どりで家までの道を歩いていると、携帯電話がぶるぶると震えました。 画面を確認すると、職場の同僚からの電話でした。 電話…

週末の物語 「最低と最高」

世間はお休みですが、今日も沼田さんは仕事でした。 残業をして、終電に滑り込みました。 最後の下り電車の中は、勤め帰りの人と遊び帰りの人とで混雑していました。 電車を降りて駅を出ると、なんと雨が降っていました。 朝はよく晴れていたので、傘なんて…

週末の物語 「才能」

人は誰しもが一つ、才能をもっているといわれています。 君枝さんも一つ、才能をもっていました。 君枝さんが自分のその才能に気づいたのは、学校を卒業してからのことでした。 会社に勤めることになった君枝さんは、一人暮らしを始めました。 古いアパート…

週末の物語 「春」

夜中に、Aさんは空腹で目を覚ましました。 朝までとても我慢できそうにないほどの空腹です。 しかし、外はまだ真っ暗です。 寝床から抜け出して、Aさんは台所へと向かいました。 冷蔵庫を開けましたが、あいにく中にあったのは玉ねぎが半分としなびたしめ…

週末の物語 「2月29日」

2月29日は、帳尻合わせのための一日 。 ところどころで、帳尻が合うようになっているのです。 *** あるところでは、なくしたと思っていた靴下の片方が見つかって、きっちり数が合うでしょう。 あるところでは、契約の話がとんとん拍子に進んで、無理か…

週末の物語 「豊原さんのポケット」

豊原さんはいつもポケットのある服を着ている。 それには理由がある。 なぜなら、ポケットの中で小さな小さなニホンオオカミを飼っているからだ。 豊原さんと小さな小さなニホンオオカミは、どこに行くにもいっしょだ。 豊原さんは、悲しいことがあったとき…

週末の物語 「文通」

スズメ夫婦と文通をはじめたのは、2月のよく晴れた土曜日のことだった。 その日、仕事が休みだったわたしは、ゆっくりとあたたかな布団にくるまってまどろんでいた。すると、こつこつと窓をたたく音がした。 わたしの部屋は、古いマンションの3階にある。 …

週末の物語 「2月4日のお客さん」

「2月4日のお客さん」 2月4日の午後に本を読んでいたところ、玄関のチャイムが鳴りました。 お客さんは熊でした。 熊はおみやげにサーモンのパイを持ってきてくれました。 そこで、ひとりといっぴきでお茶にすることにしました。 わたしはコーヒーをいれ…

週末の物語 「301.5号室の住人」

「301.5号室の住人」 わたしはとある古いマンションの302号室に住んでいる。 細長いマンションで、1つの階に部屋は2つしかない。 階段を上ってすぐが301号室、その隣がわたしの住む302号室だ。 301号室には、学生が住んでいるらしい。「らしい」というのは…