イラストレーター・山奈央のあれこれどこそこ

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2016年・私的おもしろかった本・ベスト3

2016年ももうあと僅か。

というわけで、2016年に読んだ本の中で個人的におもしろいと思った本のベスト3を発表したいと思います。あいうえお順で、順位はありません。

 

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宇野常寛『リトル・ピープルの時代』

「リトル・ピープル」という村上春樹1Q84』に登場する言葉に惹かれて手にした一冊。英語でいう「インタレスティング」の意味でおもしろい本です。

ジョージ・オーウェルが『一九八四年』(読んだことないけど)の中で描いた「ビッグ・ブラザー」が縦の力を有するものとするなら、村上春樹が『1Q84』の中で描いた「リトル・ピープル」は横の力を有するものであり、「国家」などの大きな物語である「ビッグ・ブラザー」が力を失ったあと、「小さな父」である「リトル・ピープル」がわたしたちの生きる現在の世界に無数に偏在するようになった…というのが筆者の論です。さらに、「仮面ライダー」を通じての現代社会論などなど非常におもしろい内容となっています。

正直わたしの頭と知識が追いつかずに、あまり内容を理解できていない面もあるのですが、脳みその細胞がふつふつするような感覚で興味深く読みました。 

 

リトル・ピープルの時代 (幻冬舎文庫)
 

 

 ・カレー沢薫『ブスの本懐』

腹を抱えて笑うという意味でおもしろい本です。とにかく著者の言葉選びが秀逸なのです。たとえば、わたしも同じ「ワーキングブス」として膝を打ったこんな一節。

「その点、ブスは『女を武器にする』という点では、丸腰もいいところである。相手にダメージを与える顔という点では、エクスカリバー級の武器ではあるが、ビジネスで相手のライフをゼロにしても意味がない。よって、成功自体は容易ではないかもしれないが、その分ブスは成功したときの説得力がある。『女の武器無使用』と、まさに書いてある状態であり、この腕一本(常人の二本分の太さ)でやってきました、と相手に思わせるに十分だ。」

言葉の矛先は基本的に著者本人に向かっているのですが、自虐によくある過剰に卑屈な感じや鬱屈した感じがしません。著者の言語センスとバランス感覚に感心しきりです。

 

ブスの本懐

ブスの本懐

 

  

堀江敏幸『その姿の消し方』

堀江敏幸著作はすきなんですが、落ち着いた精神状態でないとなかなか読む気になれないところがありまして…。ひさしぶりに手にしたこの本は、本を読む歓びを感じられるという意味でおもしろい本です。

話は、古物市で見つけた一枚の絵葉書に書かれた詩篇をめぐって展開していきます。一枚の絵葉書からつながっていく遠い異国の人との出会いと、ほんのかすかに光を当てられてゆく埋もれていた小さな町の歴史。

静謐で知的な文学の世界を存分に味わいました。

 

その姿の消し方

その姿の消し方

 

 

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多いときで一日に1~2冊、少ないときでも3~4日で1冊くらいは読んでいるので一年で読んだ本の量はけっこうなものになるはずなのですが、いったいどの本をどれだけ読んだのかほとんど覚えておらず…。

今回の記事を書くにあたって本棚を掘り起こしてみましたが、2016年に読んだ本なのか、2015年に読んだ本なのか、はたまたもっと昔に読んだ本なのか、記憶も非常にあいまいでした。

2017年は、読書日記をつけて読んだ本に関する記録を残しておこうと思います。