イラストレーター・山奈央のあれこれどこそこ

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「日常」と「非日常」、そして「第三の新人」

小説・漫画・アニメなどには「非日常」に題材をとったものが多いかと思いますが、わたしは「日常」を描いた作品がすきです。さらにいうと、「日常」の中にちょっと「非日常」が混ざり込むような作品がすきです。

漫画やアニメのジャンルにも「日常系」というのがあるらしく。

ちょこっとググってみましたら、「あずまきよきこ『あずまんが大王』を原点とする」とありました。日常系の代表とされている作品の『よつばと!』からは、確かになんでもない日常への慈しみが感じられます。

 

https://www.instagram.com/p/5-rVkSqnjA/

 

時は違いますが、「第三の新人」の作品からも日常への慈しみが感じられます。

世代論でいうと、軍国主義教育に染まるには年がいきすぎていて、反戦運動に加わるには年が足りなかった世代らしいです。どちらの思想にもなじまない彼らの中で、唯一目の前にあった手ごたえのあるものが「日常」だったのでしょう。

第三の新人」らの作品は「私小説」に分類されますが、自分を誇示しすぎることも卑下しすぎることもなく、「日常」に生きる自分のことを書いていて、日本の私小説にありがちな薄暗い場所で自分の暗部をぐちぐちと語るようなじめっとした感じがあまりないような気がします。

凡庸・通俗的・世俗的などとの批判もあるようですが。

第三の新人」でしっかり読んだことがあるのは庄野潤三くらいなので全体的な傾向はよくわかりませんが、目の前の自分の手の届く範囲の世界のことを、明るい陽の下で語っているような朗らかさがあります。

価値観が多様化しているようで一様化しているようなよくわからない今の時代ですが、閉塞感から自分の「日常」を外部から劇的に変化させてくれるような「非日常」を追い求めることなく、静かに自分の「日常」と向き合っていきたいものです。

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第三の新人」と「日常系」の類似性を指摘する文章をうまいこと書きたかったのですが、知識が浅いので中途半端なものになってしまいました…。でもまあ、これが今のわたしのせいいっぱいでございます。

 

 

貝がらと海の音 (新潮文庫)

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