イラストレーター・山奈央のあれこれどこそこ

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本のこと

読書の秋にトーベ・ヤンソン『ムーミン谷の十一月』を読む

今週のお題「読書の秋」ということで、秋の夜長に読むにふさわしい本はないか本棚を探してみました。 そこで見つけたのが、トーベ・ヤンソン『ムーミン谷の十一月』。 この作品は、ムーミン一家不在の状態で話が進んでいきます。 ところで、トーベ・ヤンソン…

やっぱり本が好き ~本と梟と馬~

池袋の「梟書茶房」に行ってきました。 www.doutor.co.jp 本のタイトルを隠したシークレット本や本と珈琲を組み合わせた特別メニューなどもあるということで、本と珈琲好きとしては気になっていたところ、ちょうど先日池袋で打ち合わせがあったので帰りに寄…

わたしは本がすきだ

本を読むようになったきっかけとなった、本との出会いについて。 *** *** もともとはあまり本を読むほうではありませんでした。 本との出会いがなかったら、自分の人生はもっと違ったものになっていたと思います。 たくさんある本の中から、小川洋子『…

午後の最後の芝生でダンス・ダンス・ダンス

村上春樹の新刊『騎士団長殺し』がいよいよ明日2月24日に発売になります。 村上春樹作品に出会ったのは大学入学を控えた春休みのことで、『ねじまき鳥クロニクル』を読み出したらとまらなくなって、夜が明けて外が明るくなるまで一気に読んだのを覚えていま…

読書日記 平野啓一郎『私とは何か 「個人」から「分人」へ』

「本当の自分って?」という問いを自らに対して発したことのある人は多いかと思います。 自分について「自分とはこういう人間である」とは言い切れず、「自分はこういう人間のときもある(あった)し、ああいう人間のときもある(あった)」と確固たる自己像…

2016年・私的おもしろかった本・ベスト3

2016年ももうあと僅か。 というわけで、2016年に読んだ本の中で個人的におもしろいと思った本のベスト3を発表したいと思います。あいうえお順で、順位はありません。 ・宇野常寛『リトル・ピープルの時代』 「リトル・ピープル」という村上春樹『1Q84』…

怠け者がコンビニでいじわるな殺人で負けて証明終了

最近読んだ本です。 ・森見登美彦『聖なる怠け者の冒険』 ・村田紗耶香『コンビニ人間』 ・穂村弘『いじわるな天使』 ・カレー沢薫『負ける技術』『もっと負ける技術』 ・小島正樹『武家屋敷の殺人』 あとは「Q.E.D(証明終了)」というミステリーのシリーズ…

三連休は本棚づくり

壁一面の本棚のある部屋にいつか住みたい、とあこがれていました。 よくよく考えてみれば、「いつか」ではなく「いま」住むことも可能なのだと気づき、この三連休で部屋の模様替えをすることにしました。 そのために、無印良品のカラーボックスを購入し、届…

夏休み中の課題図書

今週は夏休みも終わり、いつもの日常が戻ってきました。 仕事との向き合い方を考えるちょうどよい機会だと思い、夏休み中に仕事に関する本を2冊読みました。 ・稲垣えみ子『魂の退社』 ・服部みれい『わたしらしく働く!』 どちらも本も柔らかく親し気な語…

服部みれい『あたらしい自分になる本 増補版』を読んで、あたらしい自分に

服部みれい『あたらしい自分になる本 増補版』を読みました。 単行本の時に本屋で見かけてちょっと気になってはいたのですが、「冷えとり」で有名な著者の本は、冬でも裸足で過ごしているような自分にはあまり縁がないかな? と思ってスルーしていたのです。…

わたしのワンピース

【ラララン ロロロン はなもようの ワンピース わたしに にあうかしら (にしまきかやこ『わたしのワンピース』こぐま社)】 『わたしのワンピース』という絵本には、いろいろな柄のワンピースが登場します。 個人的には「くさのみもようのワンピース」と「…

『BRUTUS』の「おいしいお菓子」特集を読んで

今号の『BRUTUS』の特集が「おいしいお菓子」だったので、お菓子好きとしては気になって購入しました。 いろんな人がいろいろなお菓子を紹介していました。 こういうときに自分ならどういうお菓子を紹介するのか? ちょっと考えてみました。 ・誰もが知って…

「素朴」なもののよさ

『日本の素朴絵』という題名どおり、素朴な日本な絵を集めた本です。 日本画というと精密な筆致で描かれているイメージがありますが、ここに集めれれた作品はなんとも「ゆるい」感じで、肩肘張らずに見ることができます。 (猫と鼠の絵。猫がかわいくないの…

読書日記 吉本ばなな『キッチン』とカツ丼

ひさしぶりに、吉本ばなな『キッチン』を読み返しました。 初めて読んだのは中学三年生の夏休みだった気がします。当時なぜか吉本ばななと林真理子のことを混同していて、しかも『キッチン』は平凡な主婦が主人公の家庭小説だと思い込んでいました。実際は全…

読書日記 『貴様いつまで女子でいるつもりだ問題』と『女子をこじらせて』

「女子会」とか「○○女子」とかいう言葉をよく耳にします。 「婦人会」とか「○○女」という言葉よりは、耳にかわいく響きます。 でも、いい年した女が「女子」を自称するのはいかがなものか、という批判もよく耳にします。 「女」の同義語を調べてみると、「女…

読書日記 村上春樹『ラオスにいったい何があるというんですか?』

発売早々に買ったものの少し読んでそのままになっていた、村上春樹の紀行文集『ラオスにいったい何があるというんですか?』を読了しました。 ボストン、アイスランド、ポートランド、ミコノス島、スペッツェス島、ニューヨーク、フィンランド、ラオス、イタ…

本について思うこと

出版不況で本が売れない、とよく聞きます。 末端ながら出版の仕事に携わっている者としては、気がかりな事態ではあります。 こつこつと自分の仕事をするばかりですが。 わたしは紙の本のページをめくるときの感じや、紙の手触りが好きです。 本に囲まれた状…

読書日記 庄野潤三『ザボンの花』

庄野潤三『ザボンの花』は、とある5人の家族の日常を描いた小説です。 【正三が、なつめと四郎を呼んで畑中の道を帰って来ると、四郎が急に立ち止まって空を指さした。 春の空の高い高いところで、飛行機が大きな落書をしているのだ。青いガラスの上に蝋石…

息苦しかった青春時代を支えてくれた一冊

特別お題「青春の一冊」 with P+D MAGAZINE 「青春の一冊」について。 好きなことをして自由に生きていくこともできる。そう考えるきっかけを与えてくれたのが、高校2年生の時に出会った、銀色夏生『つれづれノート』シリーズでした。 『これもすべて同じ一…

心を穏やかにする絵本 『バムとケロのにちようび』

忙しい日々が続くと、だんだん部屋も心もすさんできます。 そんなとき、本棚から絵本を取り出してぱらぱら眺めます。 絵本なら、わずかな休憩時間にも読めるし、よい気分転換になります。 特に読みたくなるのが、『バムとケロのにちようび』という絵本です。…

読書日記 石田千『バスを待って』

普段は家で仕事をしているので「通勤」というものがありませんが、会社勤めをしていたときは電車とバスを利用していました。 バスは、一番前の一段高くなった席が好きです。競争率が高くてなかなか空いてませんが、空いていれば座ります。 (ただ、席が高く…

「日常」と「非日常」、そして「第三の新人」

小説・漫画・アニメなどには「非日常」に題材をとったものが多いかと思いますが、わたしは「日常」を描いた作品がすきです。さらにいうと、「日常」の中にちょっと「非日常」が混ざり込むような作品がすきです。 漫画やアニメのジャンルにも「日常系」という…

780円で手に入れた言葉

本屋で雑誌を立ち読みをしていて、心に響いた言葉があったので雑誌を購入しました。 【「おしゃれは気合です(低い声で)。服って、一番身近な変装の道具じゃないですか。(中略)でも、気持ちとしては、似合う服より自分が好きな服を着たほうがいいと思う。…

紀ノ国屋の「よく調教されたレタス」とダンス・ダンス・ダンス

【でも僕は紀ノ国屋で買い物するのが好きだ。馬鹿気た話だけど、ここの店のレタスがいちばん長持ちするのだ。どうしてかはわからない。でもそうなのだ。閉店後にレタスを集めて特殊な訓練をしているのかもしれない。もしそうだとしても僕は全然驚かない。高…

読書日記 西村京太郎『生死の分水嶺・陸羽東線』

表紙にこけし、という理由だけで買った文庫本。 いわゆる「ジャケ買い」です。 鳴子温泉を舞台にしたミステリーなんですが、戸津川警部は渡瀬恒彦、亀井刑事は伊東四朗、北条早苗は山村紅葉で脳内再生されておもしろく読みました。 ミステリーは、最後に犯人…

共感できるけど共感できないほうがよい漫画

昔は『りぼん』派で連載の物語に胸をときめかせていましたが、最近は少女漫画というか恋愛漫画をほとんど読まなくなりました。 (それにしても、『りぼん』の付録のマニキュアから発がん性物質検出というニュースは衝撃的でした。付録にマニキュアというのに…

読書日記 保坂和志『季節の記憶』

【トンビは彼の頭上で大きい弧を描きながらゆったりと旋回をつづけて、タイミングを見計らって降下して彼の手からエサを咥えて舞い上がるか沖に向かって飛んでいき、それをぽかんと口を開けて見ている息子はトンビがエサを咥えるたびに上唇を三角にとんがら…

私を構成する9冊

トピック「私を構成する9枚」に便乗して、「私を構成する9冊」について。 私という人格を形成するにあたり、少なからず影響を受けた9冊です。 内訳は、小説6冊、漫画3冊。 ①村上春樹『羊をめぐる冒険』 村上春樹作品でいちばん好きです。「僕と鼠」シリ…

じっちゃんの名にかけて!

水道橋から神保町に向かう途中にある古本屋さんの文庫1冊100円コーナーをときどき物色します。 そこで先日『金田一少年の事件簿』のノベライズ版を見つけました。 な、なつかしい…。 高校生の頃、堂本剛・ともさかりえ版のドラマが放送されていました。 今…

寒い日には温かいスープを

この度の大寒波で、沖縄本島でも雪が降ったそうですね。 さて、先日の記事つながりで「スープ」の登場する小説について。 吉田篤弘『それからはスープのことばかり考えて暮らした』です。 語り手である失業中の「オーリィ君」、アパートの大家のマダム、〈ト…